早栗は行方不明、母と妹は死亡、父は話が出来る状態ではないだろうし、したくても出来ない。
あの事件以来、父の動向が一切わからないからだ。友人宅にでも住まわせてもらっているのか、家族が一斉に居なくなった事によって、あるいは……。
「…………!」
何を考えているんだ、自分は。
「…………」
あれから幾度か携帯による電話やメールでコンタクトを試みたものの、いつまで経っても返って来るのは早栗からの声ではなく、無機質な圏外の報告を知らせる音声のみ。
正直お手上げっす。
「…………」
わからない。
「…………」
知る事も出来ない。
「…………」
もどかしい。
「Zzz...」
そして授業がつまらん!
結局起きたのは授業終了直前でした。登校前にモンスターエナジー飲んだのに……。
そういえば彼女が失踪する直前───つまり早栗とした最後のメールに、よくわからない事が書いてあったな。
まさに厨Ⅱ病!過ぎて気にも留めてなかったが……
「…………」
携帯を開き、受信箱へ。
23時45分頃のメールを開く。
From 早栗
Sub まさかの!
────────
前に言ってた悪魔の召還の儀式をやってみたんだ。
するとね、何と成功するかもしれないんだ!
結果は明日、学校で教えるから。期待しててね♪
「……………」
正直な事を言えば、このメールが来た時はハイハイワロスワロス的な感想しか抱かなかった。
学校で教えられるはずだった結果とやらも、そんなに期待していなかったし。
「……………」
悪魔の召還が成功ねー。
「……………」
ふん、そんなもの居るはずがないのに。
もし居たら早栗にビッグマックとてりやきマックバーガーにストロベリーシェイクのL付けて奢ってやんよ。
「……………(グゥー」
こんな事考えてたらマック食べたくなってきた。
早栗は居ないけど、帰りマック寄ろうっと。
☆失踪の直前