早栗「ようやく終わったー!」
その日、私は生徒会に入っている友達を手伝ったんだ。緋色の夕日が教室全体を抱いていたのも束の間、もう外は暗くなっている。
1月前に唯一チョコレートを渡した彼が帰ってから、既に2時間が経過していた。
早栗「早く帰ってお母さんに甘えよーっと」
彼はもう家に着いたかな?
早栗「っと、その前に―――」
彼は今、何してるのかな?
早栗「さてさて、何を入れてくれたんだろ~?(ワクワク」
気が付けば彼の事を考えていて、目で追う事も増えていた。
その原因が何なのかも、一応は理解しているつもり。
早栗「……………(ゴソゴソ」
何を入れられていても構わない。安くたって、小さくたって……彼が入れてくれたんだから。
―――それだけで充分。
早栗「おりゃっ!」
彼が、他の誰でもない……私の為に用意してくれたんだから。
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