グチャッ


「ッ…………!」


長い長い迷宮を彷徨っている内に、化け物を踏み潰す感覚にも慣れてきてしまっていた。
靴底から伝わる化け物のヌルヌルとした内臓は、まるで誤って蛙を思い切り踏んでしまったかのよう。


「……………」


今、もしも鏡があるなら―――この上無く生気の無い表情をしているんだろうな。


「……………」


そんな事を考えていると、また一匹の化け物が足元へ。


「……………」


犬や猫ならば良かったのに。


グチャッ



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死んでたまるか