さっそく食べてみたいのだがいいだろうか?

一条「はしゃぐなよガキじゃねーんだから…別にいいけど。」
丁寧に包みを外して箱を開ける、そこには苦労して作ったであろう紛れも無く手作りのチョコレートが入っていた。
一条「さ、先に言っとくけど味は期待すんなよ?不味かったら正直に言ってくれていいから…」
いただきます。
『もぐもぐ』
一条「……。」
美味しい。
だけど少しだけ甘味が強いかも知れない、もう少し抑えめにすればもっと美味しくなると思う。
一条「そっか…ごめんな、中途半端なもん渡しちゃって。こんなもん初めて作ったからさ…」
先に食べていたものにレベルの高いものが混じっていただけで、普通の基準なら十分美味しい。
少しだけ改良を加えればもっと美味しくなる。
一条「うん…
ホントはさ、嘘なんだよ。」
?
一条「朝迎えに来てくれた時、本当は家にいて…これ作ってたんだ。
だけどまだ出来てなかったから正宗に居留守使わせちまったんだよ。」
そうだったのか。
一条「病院に行ってたってのも嘘、呼び出し食らったってもの嘘…
遅刻してまで作ってたのに全然納得いくもんが作れなくてさ…
そんで学校終わって急いで帰って、さっきまで作っててやっと出来たのがこれなんだ。
でも笑っちまうよな…そんだけ時間かけてこんなもんしか作れなかったなんて…」
一条は申し訳なさそうにそう言う、気にしてしまっているのか。
だけど…
一条「え…?」
貰った自分からしてみれば十分に美味しかったし、出会って数ヶ月しか経っていない男のために、あれだけ大事にしていた学業まで疎かにしてこれを作ってくれたのはとても嬉しい。
普通の友達じゃ絶対にこんな事してくれない、だからそんなに気を落とすことなんてないんだ。
賢い一条ならもう作り方も覚えただろうし、だから…
来年もまた作ってほしい。
一条「…いいのか?」
もちろん。寧ろもう作ってくれないのか?
一条「………いや。」
彼女は笑って、そして

一条「任しとけよ、次はあんたが今日貰ったやつ全部合わせても勝てねーぐらい美味いのつくってやるからな。」
それでこそ一条だ。
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