『ガラッ』
蕎麦屋の娘「いらっしゃいませー!あれ?○○さんじゃないですか、今日はお一人ですか?」
鳩「クルッポー」
娘さんと鳩は今日も元気がいい、バレンタインなど彼女には関係ないのだろうか。
店内は予想通り、がらんとしている。
よほど知られていないのだろうか、味は悪くないのにこの店は本当にお客の入りが悪い。
一条も最近まで全く知らなかったらしい。
…とりあえずたぬき。
蕎麦屋の娘「はい、かしこまりましたー!店長、たぬき一つでーす。」
店長「かしこまり!」蕎麦屋の娘「お湯が沸いたらお茶をお持ちしますんでお好きなお席へどうぞー!」
カウンター席へと座り、辺りを見回す。
自分の他には一人景気の悪そうな顔をした男性客がいるだけだ、経営が心配になってくるレベルだが大丈夫なのだろうか…
蕎麦屋の娘「今日は一条さんと一緒じゃないんですね、どうかしたんですか?」
…そう言えば今日の一条は少し様子がおかしかった気がする。
娘さんに相談してみようか…
『かくかくしかじか』
蕎麦屋の娘「そんな事があったんですか~、一条さんが体調不良なんて珍しいですね。」
確かに。付き合いが長いとは言えないが、あの一条が体調を崩した事など見たことがないのに。
蕎麦屋の娘「それにこんな大事な日にだなんて一条さんも可哀想です…」
少しは期待していたんだが…
蕎麦屋の娘「むーその顔だとやっぱり一条さんからはチョコ貰ってませんね?」
傷心をいたぶるのは止めていただきたい…
蕎麦屋の娘「あはは、すいません。なら私があげますよ!」
え?
蕎麦屋の娘「お得意さんに配れるように用意してあるのがありますからお一ついかがですか?勿論無料ですよ?」
ありがたくいただきます。
蕎麦屋の娘「それじゃあとでそれも一緒にお持ちしますね。」
『ピィィィィッ!!』蕎麦屋の娘「あ、お湯が沸いた!店長ーもうたぬき上がりますー?」
娘さんは厨房へと入っていった。
ともあれこれでまたチョコを貰うことが出来る、よかったよかった。
「ビクビク…」
蕎麦屋の娘「はい、お待たせしましたーたぬきです。それでこれがチョコですよ、家に帰ってから食べてみてくださいね!それじゃごゆっくり!」
ようやく食事にありつける、手早く食べてしまおう。
ご馳走様でした、会計をお願いします。
蕎麦屋の娘「はいはいただいまー!えーっとたぬき一つで六十円ですね、丁度お預かりします!」
チョコレートのお礼も言っておこうか、お返しも考えた方がいいだろう。
蕎麦屋の娘「いえいえ!そんなお返しなんていいですよ、もともとお客さんに配るの決めてたんですから!」
一条の話も聞いてもらったし、こちらとしてもお礼がしたいから。
蕎麦屋の娘「○○さん…本当にありがとうございます。そこまで言ってくれるんなら期待させてもらっちゃおうかな?」
約束する。
蕎麦屋の娘「それと一条さんの事、ちゃんと見ててあげてくださいね?また体調を崩したら大変ですから。」
諒解した。
『ガラッ』
「お~い、じゃじゃ馬娘~。腹減ったから何か出してくれよ。」
蕎麦屋の娘「うっげ…一番会いたくない奴が来た…そ、それじゃ○○さん、お気を付けてお帰りくださいね!またよろしくー!」
さて、食事もしたし、副産物ではあるがチョコも貰えた。
そろそろ街に戻るとしよう。
次はどうしようか…
\ミツケタゾタケダアカネー!!/
\カカッテコイヨ イガラスー!!/
\コラー!!ミセノナカデアバレルナー!!/
何やら店の中が賑やかになっている、お客が増えるのは良い事だ。
さて戻ろう。
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