結局かなり時間がかかってしまった。
今は鞄と若干の教科書を抱えて歩いている。重い…
しかし人助け、とは言えないかも知れないが少しだけ誇らしい気分だ。
あのあと綾弥さんの姿は見えなかったがきっともう帰っているだろう。
『ドサッ!』
…まただ…どうも先ほどの事でこの教科書から嫌われてしまったらしい。新品だったはずの教科書が使い古したような見た目になってしまっている。
落ちた教科書を拾っていると
『スッ』
ふいに目の前の数学の教科書が拾い上げられた。
顔を上げると…

綾弥「まーた落としてんのか、どんくせぇなあんた。」
綾弥さんがいる。
何だか妙に縁がある…

綾弥「…さっきはありがとな。あんたのおかげで机を蹴り上げなくてすんだよ。」
あ…笑った…

綾弥「あたしも手伝ってやるよ。家何処だ?」
本当につくづく縁があると思った…。
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