女神様に皆が平和に暮らす世界へ転生させて貰った。
…人が争うのは、そこに差異があるからだ。
差異があるからこそ衝突が生まれ、そこに争いが産まれる。
顔、能力、思想、肌の色…すなわち個性。
「自分と他人は違う、ゆえに他人の考えはわからない」「わからないから恐れ、争う」
争いを無くすにはどうすればよいか…そう、他人に対する無知が争いの源であるなら…自分と他人を同一にしてしまえばよいのだ。
この世界では、争いが発生しない。
個性というものがない。
すなわち、自分も他人も完全に同一の存在であるため、他人に対する無知というものがない。
自分自身と喧嘩するものなどいない。つまり、争いが発生する筈がないのだ。
野心も、欲望も、罪も、夢もない。
ただ生き、ただ満ち、ただ死ぬ。
罪を犯さず、日々をただ完璧完全に悩みもなく、苦痛もなく、永劫穏やかに暮らしていける天上楽土。
なるほど、これは確かに皆が平和に暮らす世界だ
争うという概念すらないこの世界で…俺は平穏無事に生きていこう…

水銀の蛇「来ちゃった♪」
『Ira furor brevis est.』
『Sequere naturam.』
BAD END No,180 「カール来訪者」
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