おや、今度は君か…いやいや、いつも暇しているから君達ならいつでもウェルカムだとも!さぁさぁ、こっちに来てよっちゃんいかでも食べなさい!いらない?あ、そう……
暇なら私の昔話に付き合ってくれるかい?君のお母さんの話をしてあげよう…あれは提督とビスマルクが結ばれてすぐのことだった…
いつもは天真爛漫で太陽のような笑顔の君のお母さんが、どことなく元気がないように見えてね?どうしたのか尋ねてみたのだよ
曰く、「提督とビスマルク姉様が結ばれたのは嬉しいんですけど、何故か心から喜べないんです…何故なんでしょう…」
たしかに、当時もケッコンカッコカリという制度はあったが日本国は一夫一妻、ビスマルクが提督と結婚すれば自分は結婚できないのは当然と言えるな
ビスマルクのことも提督のことも大好きで、喜ばしいことなのに心から祝福できないなんて、自分はなんて醜いのだろうと涙ながらに語る君のお母さんを見て私は決心したのだよ
兵法は拙速を尊ぶ。提督とビスマルクを説き伏せて鎮守府を出立、その後は私のかつての教え子達に連絡を取り大本営に召集をかけて直談判しにいったのだよ、提督と艦娘の重婚を認めよ!とね
始めは大本営も難色を示したものだったが、軍の重鎮が睨みを利かせ、その隷下の艦娘数千が武装蜂起するとあらば是非も無し、最期は快く艦娘の婚姻に関する特別法の制定を約束してくれたのだよ
その時のビスマルクとプリンツの笑顔は今でも私の目に焼きついているよ…涙を流しつつも心からの笑顔で「良かった、本当に良かった」「これからもずっと一緒に居られますね」と抱きしめあう二人…うむ、彼女達の笑顔が何よりの褒美だった…
君のお母さんは方向性が決まればフットワークが軽いのが長所の一つでな?その帰りに提督とビスマルクをホテルに連れ込んで、長年の夢だと語っていた「今夜は私達がディナーよ?二人まとめて食・べ・て☆」を行ったのだ
もちろん君のお父さんも帝国軍人、据え膳食わぬはなんとやら…ありがたく頂戴することにしたようだ
ちなみにビスマルクが3回でダウンしたのに対し、なんと君のお母さんは10回以上…それ以上は覚えてないと言っていたが…お父さんがもう無理と言ってもそんな抗議はどこ吹く風、がんばれ♪がんばれ♪と応援して無理矢理立ち上がらせたのだよ…
結局、君のお父さんは腎虚寸前で解放され、その日からエビオス錠が欠かせなくなったそうだ…ディナーは君のお母さんではなく、お父さんの方だったということだな!HAHAHA!
ちなみに誕生日から逆算すると…おそらくその時に出来たのが君だ、提督とプリンツの子よ
10年後のプリンツ