○(個人的百物語、饗宴4)
ふふふ…結末は…これからお話ししましょう…。
妖怪達との戦いは時間がたつにつれどんどん激しくなっていった。
しかし、倒れていくのは人間側ばかり…それもそのはず。
妖怪や幽霊の類いに刀なんてがらくた同然、高名な坊さんが唱えるお経もある程度読まなければ意味はない。何より…妖怪達の異形の姿に圧倒され、殿様の軍は1人…また1人と、倒れていった。
中には逃げ出したやつも…。
まぁ、逃げ出した者達もすぐに妖怪達に追いつかれ、食われていく…。
とうとう軍は殿様1人になってしまった…。
そこで殿様は、ある物を見た。少女が1人、妖怪達の中を闊歩していた。
その少女は、自分のことを百鬼夜行を束ねる者『錯乱瀟洒姫』と名乗ったの…。
そして殿様に呟いた…「泣け、喚け、命惜しければ、ただ祈り願へよ…」
殿様は泣いて頼んだ。「命だけは見逃してくれ」と。
それを聞いた錯乱瀟洒姫はにやりと笑うと…
殿様の五体を引き裂き…
喰らった。
えぇ…あの時は本当に、
『美 味 し か っ た わ』
○(個人的百物語、饗宴、終演)
…次の日の朝…京に残っていたのは無数に喰い散らかった死体…あたり一面は血の海となっていたそうな…。
…お話しはここで終わりよ。
…どウしタノ?カオが真っ青ヨ?
…エ?なんデ殿様の味をシッテイルのかッテ?
…そンなの答えハかんタンじゃナイ…
ワタシガその物語に
出てきた…
『錯 乱 瀟 洒 姫』ダカラヨ…
フフフ…フハッハハハハハ!アーハハハハハ!
(笑いながら狐のお面を取ったその顔は…まさしく異形のものだった…
目は真っ黒に染まっており、中心に人魂のような瞳が見え…
口からは全てを貫けるかのような鋭い歯が見える…)
フフフ…ミゴトニカカッテクレタワ…。モウアナタタチハ…饗宴(キョウエン)ノナカ…ニゲラレハシナイ…フフフ…ハハハハハ!
アーッハッハッハッハァ!(その声を最後に…2人の意識は途切れた…)
○饗宴…その後
(次の日…)
エタ 「おーい、穹〜。あ、いたいた。うぃーっす。ははは、昨日はお楽しみでしたか…って大丈夫か?顔色悪いぞ?あ、悠もいたか。昨日はお楽…ってお前もなんか顔色悪いな!2人して夏風邪か!?無理せず休んでおけよ?」
あの夜…2人は気がつくと茂みの中に倒れていた。
刹那、よみがえる声と記憶…。
錯乱瀟洒姫『…!コ、コノニオイ…ソレニコノケハイハ…「マリョク」カ!?コノチカラノカケラはオボエガアル…。キサマ…アノ男(オノコ)「波音リツ」ノシリアイカ…。
ふぅ…なるほどね…。あなた達に手を出したら、こちらが無事ではすまないでしょうね…。
ふん…いいわ。見逃してあげる…。
嗚呼…せっかくの美味しそうな獲物だったのに…
そう言うと錯乱瀟洒姫は…闇の中へ消えていった…。
エタ 「どうした?ボーッとして、やっぱ熱があんだろ?2人共学校には俺が連絡しといてやるから、今日は休みな。じゃあ後で、リツ達も連れて来るからさ。」
そう言うとエタフォは学校へと走っていった…。
昨日の祭りの後のアレは…夢だったのか、それとも現実だったのか…。
物語の真相は…
もうわからない…。
完結 ・・・
○(個人的百物語、饗宴のあとがき)
まず一言、いきなりこんな長い物を送ってすいません。
このベイビー様が百物語に参加すると書かれていたものですから、それなら拍手を送るこちら側からも何か怖い話を送って見ようかな、と思い今回こんな話を送らせていただきました。
…はい本当に長すぎてすいません。管理人さんが少しでも怖がってもらえた、楽しんでもらえたなら幸いです。
ちなみに、今回私が送った個人的百物語、饗宴。
これの元ネタはUTAU波音リツオリジナル曲「饗宴」(錯乱P)から来ております。
ニコ動、もしくはYouTubeで「錯乱P」と調べれば出ると思います。よろしければ是非聴いてみて下さい。
(ちなみに私は錯乱Pさんとは何の関係もないです…)
あと今回の話はやはり長くなると思ったので(案の定長くなってしまいました。本当に申し訳ありません)全てレス不要にさせてもらいました。
今回穹と悠が巻き込まれたことに関して、2人共スマネ。
最後に、お暑い中大変だと思いますがこれからも更新頑張って下さい。
でも何回も言っていますが…無理だけは禁物です。
しっかり休息することも大事ですので…。
あとがきまで長くなってすいません。では今日はこの辺で…。
○エタフォ式百物語-2