〜クリスマス数日前の話〜

「ねえチビ」

「なに、アミちゃん?」

「サンタ、今年もあたしのところに来てくれるかしら? いや、来るはずよ! あたしってば、すごくいい子にしてたしね♪」

「…え?」

「あたしね、新しいほうきが欲しいのよ。今持ってるこれ、もう穂先が黒く汚れちゃって見栄えが悪いのよね。枝もだいぶ折れたりしてボロボロだし。だから、サンタに新しいほうきが欲しいって言っておかないと。えーと、お手紙お手紙……」

「あ、アミちゃん…?」

「よし、書けた。悪いんだけどチビ、これをポストに入れてきてくれない?」

「え、あ、うん、わかったよ……(どうしよう……そうだ!)」
――――

「って言うことがあったんだ。それで、お願い。サンタさんのふりして、アミちゃんの枕元にほうきを置いてくれないかな? アミちゃん、たぶん寝たフリして待ってると思うんだ」

「いいの? わぁ、ありがとう♪ …ごめんね、こんなことお願いして。けど、アミちゃんの夢を壊したくないから……」