>《時空監理局 某所にて》おとなのは「久しぶりだね、○○君」 大人○○「……高町……」 ―無愛想な青年の言葉に、なのはの表情が曇る― 大な「っ……もう、なのはって呼んでくれないんだね」 大○「俺にそんな資格は無い。あの日お前を守れなかった俺には……もう、お前の側にいる事さえ許されない……」 ―青年の言葉は、深い哀しみと後悔に満ちていた。その言葉は、少女にとって鋭利な刃にも似ていた― 大な「どうして……そんな悲しい事言うの?○○君がいない間、ずっと寂しかったよ……。折角こうしてまた会えたのに、もう一緒にいられないなんて……寂しいよ……」 大○「……いられる訳無いだろ、こんな血に染まった身体で……」 大な「えっ……?」 大○「俺さ、今、レジアス中将の直下部隊に所属してるんだ。《ヘルハウンド隊》……名前ぐらいは聞いた事あるだろ?」 大な「ヘルハウンド……!?あの殺戮部隊に!?何で……何で!?○○君が……どうして……!?」 大○「あの隊の存在自体極秘の筈なんだけどな、やっぱもう噂は広まってるか……」 ―自嘲するように、○○は笑う。なのはは、ただ困惑するしか無かった……― 大な「答えて!何で○○君がそんな所にいるの!?」 大○「力が欲しかったからさ。数え切れない敵……瞬きすら許されない地獄のような戦場……イカれてるけど、かけがえの無い仲間達……その全てが俺に力をくれる」 大な「そんな……」 ―かつての彼からは、おおよそ想像も着かないような言葉に、なのはは震えた。信じたくなかった……かつて自分が愛した相手が、こうまで変わってしまっていたなど……― 大○「近々八神がお前を含めた特殊部隊を設立するそうだな?確か……機動六課とか言ったか」 大な「うん……」 大○「そこに、きっと俺の求める強さは無い。俺がお前達から離れたのは、そんな所かな」 大な「……嘘だよ……○○君……だって○○君は……」 大○「そろそろ失礼させてもらう。次のミッションが待ってるからな……」 ―狼狽える彼女を背に、彼はその場を立ち去ろうとした。が……― 大な「……やだよ」 ―背後に感じる柔らかな温もりに……○○の胸は引き裂かれそうになる。― 大○「離せ、高町。俺達の関係は終わってる」 大な「やだ」 大○「……頼む、離してくれ」 ―一言一言が、彼の心を揺るがす。懇願するように、彼は呟いた。― 大な「どうして……いなくなっちゃうのよぉ……っ!!」 大○「……ごめん」 大な「ずっと……ずっと寂しかった……!私が撃墜されてから……ずっと会えなくて……いつも心細くて……!やっとまた会えたと思ったのに……ずっと離れ離れなんてやだよぉ!!ぅ……ぅぅっ……!」 ―溢れ出る涙が、○○の背を濡らした……― 大○「あの日……俺にもっと力があれば……お前を傷付けずに済んだ。力さえあれば……こんな事にはならなかった……。俺にはもう、お前の側にいる資格なんてない。お前に触れる事なんて、出来ない。……けど……」 ―気付いた時には、彼は、なのはを抱き締めていた。強く、強く……彼女が壊れてしまいそうになるぐらいに……― 大○「寂しい思いをさせて……ごめんな……。俺もずっとなのはに会えなくて……辛かった……」 大な「ぅっ……もう……黙ってどこかに行ったりしないで……離れ離れは……嫌だよぉ……!」 大○「……一緒にはいられない。俺はヘルハウンド隊の一員……機動六課には入れない。けど、俺が今よりずっと強くなったら、その時は……」 大な「……」 大○「……好きだよ、なのは。もう二度と、お前を傷付けさせはしない……。どれだけ離れてても、絶対にお前を守ってみせる。」 大な「……私もだよ、○○君……大好き……。だから、いつかは帰ってきてね……私達の下へ……」 大○「ああ、約束だ……」 ―唇を重ね、思いを確かめ合う。どのぐらいそうしていただろう?はだけ掛けた服を見て、○○は我に帰る。― 大な「ん……ふぁ……」 大○「……ほら、もう行かないと。」 大な「……うん」 大○「またな、なのは……」 大な「うん、またね、○○君……」―最後にもう一度口付けを交わし、二人は互いを見送った。いつかまた、共に道を進む為に―
・フェ「…良かったの?引き留めなくて…」
おとなの「うん…○○君は約束は必ず守るよ。だから、今できるのは○○君を信じて自分の夢を追いかける事だけ。またいつか、胸を張って会えるように…きっと…」
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