うん……えっと、ね。
〇〇くんと過ごせた夏休みは、千歌にとっては宝物だったから。
その時の気持ちとか、遊んだこととか書いてあって……。
あと……、また来年も会えたら、親友としてこれからも仲良くしてほしい……って、書いてあった。
なはははは、今更過ぎて、なんとも言い難いけど、これだけ助けられてる今があるんだから、あの夏の、次の夏に会っていても、今と変わらずに、仲良くできてたよね♪
だから、これからも、Aqoursを、私達9人をよろしくね、〇〇くん♪
・・・
ありがとう、今まで。

……嘘をついた。
誰も悲しませないような、ひっそりとした嘘を。
あの頃の私は、彼に恋をしていた。
忘れてしまうくらいの小さな恋だったんだと、自分に言い聞かせては、誤魔化した。
だって……その相手が……、親友2人の、想い人だったから。
それならいっそ、忘れたままでよかった。
思い出さなくても、よかった。
そう出来ていたら……この恋は、きっと、もう少し喜べたんだと思う。
胸が痛むのも、呼吸が苦しくなるのも。
すべて、思い出さなかったフリをしよう。
そうすれば、きっと。全部上手くいくから……と。
そうやって、自分に嘘をついた。
千歌とぼくのなつやすみ 終わり
名前:津島 善子
ヨハネの劇団員100人
話した言葉:千歌とぼくのなつやすみ20
魔界最強の二人組
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