……あっ……また……夢か……。
あれって、何年前のことだったのかな……。
彼の名前も、恥ずかしくて全然呼んでなくて……覚えてなくて……。
忘れちゃったな……なはは。
……嘘つき。

あの夏のことを、不意に想い出すことがある。
彼は、次の夏、その場所に現れることはなかった。
……毎年、毎年。
私は、いつか、彼がその場所に来るんじゃないかと淡い期待をしながら、
何度となく裏切られては、待ち続けた。
それでも、いつの頃からか、彼のことを忘れ始めた。
いつもは忘れている。
あの夏、宝の地図を描いて、一緒に埋めたあの少年は、今、どうしているだろうか?
私は、不意に想い出し、忘れていく。
あの頃の想いも、初めて抱いた、小さな恋心も。
千歌過去ストーリー 終わり
名前:津島 善子
ヨハネの劇団員100人
話した言葉:千歌過去ストーリー10
魔界最強の二人組
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