(恐る恐る目を開けると、そこにはよく見知った『彼』の姿があった。)

(直様『彼』から離れようとするも、四肢は『彼』の腕と体躯に押さえつけられていて、逃げることは叶わなかった。此方が何か言う前に、彼の口が開く。)

「……ぜ……た?」

(『彼』が何かを言ったのは分かった。だがそれと同時に背中に爪を突き立てられるものだから、痛みで何を言ったのかなんて考えられるわけもない)

「今一度聞く、何故逃げた?」

(怖くなったから)
ヤンデレ5