ひとつ、ふたつ、みっつ。

遺してきた想い出を数える。
珠のように光るそれを。

色が失われていく。
光が失せていく。
カタチだけ遺ったそれは、記憶ではなく記録。

どうして――――“私”は、あの人が好きだったんだろうか?

そう考えると、胸が苦しくなって、悲しくなって……。
少し、泣いた。


「阿求」の記録