それは――――遠い、昔の出来事。

わたしがこうして縁側に座っていると、あの人がやって来て、隣に腰掛けた。
一緒にお茶を飲んで、なんとなく、のんびりと時間を過ごした。

今となっては、ただの記憶になってしまったけれど――――あの人のことを覚えていられたのが、わたしはなによりも嬉しい。


旧き日への遥拝