遠く。蝉が啼いている。

耳を引き裂くその悲鳴。
高く嘆くは寂しさ故か。

照りつく陽光ひかりに目を細め。
日傘をくるくるもてあそぶ。

微睡むような夏の午後。
夢現の陽炎の。
帳の先に、貴方が見えた。

烈日の悲鳴