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よし、今日はこのぐらいにすっか。
(彼は赤ペンのふたを元に戻してそう言った)


思ったよりも問題をこなすペースが早いな。
これなら年明けの予告抜き打ちテストも大丈夫だろう。
だが、あの教授おっかねぇからな、気は抜くなよ。



(彼は壁にかけてあったカレンダーへ目線を移す)


もうすぐセンター試験だなァ。
1年前はお前の入試のことで頭がいっぱいだったわ。……今年は気楽でいいや。



さァて外出る準備しろ。

なにボケッとしてるんだよ。
初詣行くんだろ?
…お前、自分で言ったことも忘れたのか、あ゛?

(おもいっきり眉間にしわを寄せた彼の威圧に押され、急いで上着を羽織る)





(外に出ると、一面の銀世界が広がっていた)
(吐く息も真っ白に染まる)



こっちで雪が積もるなんて珍しいな。
一応、言うけど転ぶなよォ。

(サク…サク…と雪を踏みしめる音が心地よい)


お前が俺と同じ大学を目指すつった時は耳を疑ったがよ、本当に後輩になっちまうとはな。
意外に根性あるよな、お前。



(せんせ…先輩は進路どうするんですか?)

お?言ってなかったか?
俺、院に行くことにした。

新卒枠放り投げて文系で院なんてよォ、無謀に思われるかもしれん。だが人生は1度しかねえ。
そう考えたらどうしても、もう少し研究を続けたくなった。
とりあえずはお前が卒業するまでは俺も学校にいるわ。よろしく頼むな。



名前:空神様
46歳

GOD

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