(飛龍から延びたタラップの先では、小船が私達を待っていた)
(小船の中でグ=ビンネンのナントカというおエライさんが観光名所を案内してくれるということで、今日1日のスケジュールが説明された)
(……内容をよく噛み砕くと分刻みで行動しなくてはいけないようで、まだ陸地についてもいないというのにもう帰りたくなった)
(隣に座る大尉の顔を盗み見れば、澄ました顔でその説明をじっと聞いている)
(はあっと小さくため息をついた私を乗せて小船は着岸した)
(ぶっちゃけるととても退屈である)
(長ったらしいウンチクを聞きながら人払いされた観光名所を淡々と見て回る)
(これじゃあ異文化理解どころの話ではない。退屈すぎて私がここで騒ぎを起こしたら一体どうなるだろうかという妄想が延々頭のなかを巡る。グ=ビンネンにゴジラがやってくるところまでは想像した)
(それでも大尉は意外なほどに素直で、時折質問をしながら説明を聞いていた)
(もうそろそろ食事をという話になり会食の会場へ移動する最中、大尉がそっと耳うちしてきた)
(「俺が合図したら一目散に走れ」と)
(
そしてその時はやってきた
)
名前:空神様
46歳
GOD
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