(建物と建物に挟まれ、日中だと言うのに通りは薄暗かった。)
(空気の通りもあまりよくないのか、カビ臭さが鼻腔を通る。……あまり長居したい場所ではない。)
(すんっと息を吸って、気合を入れなおす)




ん。
(大尉が手を差し出す)

なんかにつかまってた方が気分も落ち着くだろ。


(ぶっきらぼうに言い放つともう一度、腕を動かし私を急かす)
(差し伸ばされた手をとれば、大きくてごつごつとした彼の手が同じように握り返してくる)



(暗い空気が漂う路地を抜けると、女性が教えてくれたとおり階段が現れた)
(……一歩ずつ階段を昇るも終わりが見えない)
(一日慣れない靴で動き回ったせいか、足がジンジンと熱を帯びてきた)





(大尉は段々と歩みが遅くなる私を見るとその歩みを止めた)
(その場にしゃがんだかと思うと、背中と膝裏に腕を伸ばしそのまま私を持ち上げた)


(私重いからやめて、と一通り抵抗の意思を見せたものの状況は変わらない)



あ゛ぁ゛ァ!動くんじゃねーコノヤロウ!

軍人を舐めンな。
女の一人や二人ぐらい担げねェでどうするよ。
つーか暴れンな!歩きづらいっての!この高さから落とすぞ!!!


(流石に本当に落しはしないだろうが…いや、万が一…とかなんとか考えている間に文具店に到着した)

文具店

名前:空神様
46歳

GOD

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