(───入った。寿くんが打った瞬間、そう思った。案の定打球は伸びていき、フェンスの向こうへと落ちた。

寿くんがダイヤモンドを回って戻ってくる。

その顔を見た瞬間────、そこにいるのがこの前までの寿くんじゃないことに、すぐに気付いた。



私が今までどんなに一緒にいても、寿くんの小さな歪みを元に戻すことは出来なかった。それが、こんなにもあっさり。

────やっぱり寿くんには吾郎くんなんだな。

私じゃ、寿くんの心の隙間を埋めることは出来なかった。


スカートにぽつぽつとシミが出来ていくのを見て、自分が泣いていることにようやく気付く。グラウンドにいる寿くんが、もう二度と私を見ない気がしてならない。そう思うと、怖くて仕方なかった。


だって、私はもう必要ないのだから。)

立ち上がる

名前:佐藤寿也+坂口光
通算本塁打144本
話した言葉:別れ道

寿くんかわいい

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