「──大丈夫。気にしないで」


(───その言葉が嘘だということは分かってた。○○はいつも、嘘を吐くとき僕の目を見ないから。でも、その手を握って引き止めることも、追いかけることも───僕には出来なかった。

今までずっと自分勝手に束縛しておいて、急に吾郎くんと野球がしたいから君と同じ高校には行きません──なんて、呆れられても嫌われても仕方ない。
その意思が変わらないのなら、追いかけて僕に何が言えるのか、あの頃の僕には分からなかった。

そうして、負い目を感じて○○と顔を合わせられないまま、夏休みが終わった。
セレクションに向けた練習に没頭していて、そこにまで気が回らなかったのも、事実だ。


夏休み明け、後から登校してきた○○は痩せていて、心配になった僕はすぐに声をかけようと近寄った。

─────でも、○○は僕の目を見ずに横を通り過ぎていって、─────その瞬間、何もかもが遅すぎたことを、僕はやっと理解した)

名前:佐藤寿也+坂口光
通算本塁打144本
話した言葉:別れ道(佐藤寿也)

寿くんかわいい

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