……良かった。
貴方からその言葉を聞けて良かったわ。
出会ったばかりの貴方は、どこか空っぽだったから。
幸せを感じても簡単に零れ落ち、空っぽに戻る。
まるで穴の空いた器のように、マスターはそんな人間だった。
そんなマスターが過ぎ去った幸せを噛み締めているんですもの。
なら、私は貴方の空虚を埋めるに足る存在になれたってことでしょ?
だから、良かったわ。
……マスター、眠いの?
うん、たくさんお喋りしたものね。
ちょっと疲れちゃったのよ。
少し休みましょう。
大丈夫。
私は寝ても覚めても、貴方の傍にいますから。
……おやすみ、マスター。
幸せだった