黒曜の町を歩いている途中、ふと辺りに視線をさ迷わせるとふらりと見慣れたシルエットの人物が横切る。

咄嗟に後ろ姿を追うが、近付く間もなくすぐ路地へ消えてしまった。

そう距離がある訳ではないのに、一向に前を歩く男に近付けない。追えば追うほど細く狭い道に入り込んでしまう。

房違い