静葉「………。」
(あの人の傍にいるだけで、他には何もいらないくらいに幸せで。
声を聞くだけで、顔を見られただけで、その日一日が楽しくて。
触れ合う度に、あの人の手が誰よりも暖かくて。

はじめは、ただそれだけだったけれど…。
ずっと隣りにいて欲しい、私だけを見ていて欲しいと思い始めたのは、いつからだったかしら。

友とは違う、兄や弟とも勿論違う。
こんなに優しくて、暖かで、突き刺さるように痛い気持ちは…
きっと……)
恋煩い