そういえば、今日は2月14日だったなあ。
…恋する女の子たちにとっては絶好のチャンスともなりうる日であり、恋人たちにとっては互いの想いを再確認するよい機会であり、そしてそんな甘い人生を送ってこなかった大多数の男たちにとっては、半ばは無駄と知りながらも一日をちょっとした期待を秘めつつ過ごした末、結局は失望のため息をつく羽目になる、そんな日である。
と、どうでもよい思考がひとしきり頭に浮かんで消えた。
バレンタインデーか…。
いつもの通り、仲良く二人して笑っている彼女たちを見つめる。
少し、胸の鼓動が早くなった気がした。
何を勝手な期待を…と、胸の内で自分を軽く叱ったところで。
その前に、この二人は今日がそんな日であることを知っているんだろうか、という疑問が浮かんだ。
そもそも外の世界でもバレンタインデーなんてものが流行りだしたのはいつだっただろう。この世界には伝わってきているんだろうか。
分からない。試しに二人に聞いてみようか。
しかし、そんなことをすれば二人からのチョコを期待していることを自ら白状するようなものだ。
それもなんか違うよなあ…。
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