静葉「この間、早苗が教えてくれたの。2月14日…バレンタインは、女性がその…好きな人、大切な人に、こうしてチョコを贈る習慣があるって…。

あの子ったら、わざわざ私たち二人に教えに来てくれたのよ?

……まったく、妙な気の回し方をするんだから…///


穣子が言葉を続ける。

「それで…お姉ちゃんと二人で作ったの。
○○に気づかれないように、こっそり…ね。えへへ。

人間のみんなにそんな習慣があるって聞いて、私たちも…○○にあげたいなって、思ったから…///」


静葉「……えっと…

○○…受け取ってくれるかしら?
正直、うまくできたかは自信が持てないのだけれど…」

穣子「あはは…私たちも、こんなお菓子は初めてだったしね…///」

二人が、不安げにじっとこちらを覗き込む。


大抵の料理はこなす二人だが、チョコなんていうものを作る機会はなかったのだろう。
それでも、俺のために、慣れないお菓子相手に、二人で頑張ってくれたのだ。

うまくできたかどうかなんて関係ない。そのことだけで、十分すぎるくらいに嬉しかった。


精一杯のお礼の言葉を言って、二人分のチョコを受け取る。


2013バレンタイン5